アメリカン・ビューティー(1999) [洋画・ドラマ]
映画館に足を運んだのは、ひさしぶりだ。紹介するのは現在上映中の「アメリカン・ビューティー」(1999 アメリカ/原題:AMERICAN BEAUTY)。
監督は サム・メンデス。
アカデミー賞を5部門受賞したとはいえ、どんな映画か観るまでまったく見当がつかなかった。映画情報を見ても、ピンとこない内容で、冗談で「アメリカのミス・コンの話」だの「アメリカ人のビューティーちゃんの話」などと言っていたが、実際に見て、これは、説明しにくいだろうと、納得した。
とはいえ、それは内容がないためではなく、内容がつまりすぎて、いろんな問題が秘められているからだ。
主人公のレスター・バーナムは42歳で突然死を迎えることになるが、とはいえ、それまでの人生が「生きて」いるわけでもなく、むしろ死んだも同然だった。
娘ジェーンの友達アンジェラに一目ボレしてしまったことによって、レスターは、社会の一員となる、すなわち普通のなんでもない生き方が大きな枷を自分に与えていることに気づく。そして自己を解放するわけだが、しかし、それは本当に枷なのだろうか、と、私などは思ってしまうし、レスターもラストの死ぬ間際にそれを感じるのだ。
そんなふうに感じさせるのは、観客から一線置いたドラマ作りのせいだろう。ドラマを第三者として冷静に見つめることによって、けっこう考えさせられることも多い。
コケティッシュで娼婦的性格のアンジェラは、このドラマの中でそれぞれの精神の解放と美への探求をうながす、「天使」の役割を持っていると思う。
「アンジェラ」とい名前も、案外、そこから来ているんじゃないかな。
そして、レスターを殺害する人物についてだが(犯人の名前は伏せておこう)、その動機が、けっこう謎を呼んで、見終わってからもずいぶんと楽しませてくれる。
見せてくれるぜ、これは。とにかく、「アメリカのミス・コン」や「アメリカ人のビューティーちゃん」の話でなくて、ほっとした。
スポンサーリンク
タグ:アメリカン・ビューティー
コメント 0