貴族の階段(1959) [邦画・ドラマ]
新藤兼人が脚本を担当した「貴族の階段」(1959)。
監督は吉村公三郎。
出演は叶順子、金田一敦子、本郷功次郎、菅原謙二、仁木多鶴子、志村喬。
226事件を背景に、襲撃された公爵・西の丸家を舞台にした武田泰淳の同名小説の映画化。
お父さまと軍人の密談を隠し部屋でこっそりメモるというスリリングな役割をしている17歳の娘・氷見子を主人公に、軍人の娘で学習院の同級生である美人の節子と、お父さま、そして軍人になったお兄さま・義人をめぐっての人間関係を、226事件をからめて描いている。
清純で美しい節子と、いかにも華族の坊ちゃん然としたおっとりしたお父さまが、とにかく見所!
226事件と、節子とお父さまの事件を通じて、天真爛漫なお姫様・氷見子の微妙な心の変化もいいけど、凛としたところが不足がちなので、ついつい、ビジュアル的に目を惹く節子の美しさに関心がいってしまう。
とはいえ、節子もなかなか波乱万丈でいい味出してます。お父さまが好き心を出して節子を手ごめにしてしまい、義人と相思相愛なのに結ばれることがかなわなくってしまった節子の苦悩なんて、本当、「これぞメロドラマ!」て感じで、いいですよ。
こういう映画をきっかけにして、原作やら226事件に関心を持てるのは、いいことだと思いますね。
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