ラ・マスケラ(1988) [洋画・史劇]
ヘレナ・ボナム=カーター主演のイタリア映画「ラ・マスケラ」(1988 イタリア/原題:LA MASCHERA)。
監督はフィオレッラ・インファシェッリ。
仮面を意味する「ラ・マスケラ」。
18世紀イタリアを舞台に、貴族の青年と芸人一座の娘との恋模様を描いたラブ・ロマンス。賭博好きで傲慢な青年貴族レオナルド(マイケル・マロニー)は、ある日、館に招いた芸人一座のマドンナ女優・イリス(ヘレナ・ボナム=カーター)に恋をするが、泥酔した、そのにごった眼差しが嫌いなどと罵られ、全く相手にされない。
あきらめきれない彼は、一座を追いかけようとするが、再び拒絶されることを恐れ、とある有名な仮面職人に会い、その職人が作る不思議な仮面〈マスケラ〉を付けて彼女を驚かせてやりたいと希望する。
そこには、わずかばかりの復讐があったのかもしれない。だが、仮面をつけ、彼女に近づくレオナルドには、傲慢さのかけらもなく、一途に彼女の愛を求める姿しかなかった。
仮面で顔を隠してはいるが、その心の純真さに、イリスも次第に惹かれていく。彼女との距離が縮まるにつれて、彼からは放蕩さも傲慢さも消えていくが、代わりに大きく膨らみつづける恐怖があった。彼女が信頼する仮面の男が、かつて彼女を怖がらせた男だとわかったとき、彼女はどうするのだろうか。
彼女への気持ちが、深い愛情に変わったとき、レオナルドは彼女の元を去ることを決意する。そんな彼にイリスは・・・。
「眺めのいい部屋」(1986)から2年、深い情念・強い意志、その中にある繊細な心情を、静かに語るその演技力はさすがの一言。容姿の可憐さ、危なっかしさ、強さが、たえず変化して観る者の心を惹きつける。じっくり味わいたい作品である。
スポンサーリンク
タグ:ラ・マスケラ
コメント 0