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高慢と偏見(1995) [洋画・史劇]

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英国の女性作家ジェーン・オースティンの同名小説をイギリスがテレビドラマ化した「高慢と偏見」(1995 イギリス/原題:PRIDE AND PREJUDICE)
監督はサイモン・ラントン。
出演は、コリン・ファース、ジェニファー・イーリー、クリスピン・ボナム=カーター、アンナ・チャンセラー、スザンナ・ハーカー等。

「独りもので、金があるといえば、あとはきっと細君をほしがっているにちがいない、というのが、世間一般のいわば公認真理といってもよい」
(中野好夫訳『自負と偏見』上 新潮社 1963.6)


ネザフィールド・パークの買い手が見つかったこと、その買い手のミスタ・ビングリーが独身であること、そしてお金持ちであるらしいということで、ミセス・ベネットは5人の娘たち、特に母親のお気に入りでネザフィールドでもずば抜けて美しい長女ジェインがめでたく結婚へと向かうのではないかと気もそぞろになっていた。
ネザフィールドにやってきたのは、ミスタ・ビングリーと、その姉妹、そしてさらに裕福な独身貴族ミスタ・ダーシーたち。
ベネット家の長女ジェインと、ミスタ・ベネットのお気に入りである知的な次女エリザベスは、ミスタ・ビングリーがジェインに恋をすることによって、彼らと親密になっていく。しかし、ミスタ・ダーシーの高慢な態度にエリザベスの心は、姉の恋の行方を思案する。ミスタ・ダーシーはいったいどういう人間なのだろうか。
自分の判断に狂いはないと、彼の人間性を決めつけてしまうエリザベスは、しかし、ミスタ・ベネットの限定相続人(娘たちにとっては従兄弟にあたる)ミスタ・コリンズの登場、軍人のミスタ・ウィカムへの淡い恋心と裏切り、奔放な三女リディアの恋の騒動を経て、ミスタ・ダーシーに対する偏見に気づくのだった。



原作が好きで好きで、何度も読み返した作品。その筋立ては、ジェインとビングリー、エリザベスとダーシーの2組の結婚物語において、その結婚までの経過が誤解や曲折を経て、結局はめでたくおさまるという、オースティン文学の典型。
引用した冒頭の一節は、夏目漱石が『文学論』で大いに讃辞していますが、夏目漱石だけでなく、この一節だけでオースティン文学の本質をとらえることができるほどの名文といっても過言ではありません。『分別と多感』に同じく、この作品も、「高慢」はミスタ・ダーシーを、「偏見」はエリザベスを示しています。

そのテレビドラマ化ということで、かなり期待して見ました。
コリン・ファースのミスタ・ダーシーがなんともいえず、最高!
ヒロインたちに関しては、ジェインはほぼ想像通りでしたが、エリザベス役が・・・。リディア役も、なぜかヘレナ・ボナム=カーターを思い出してしまうのはなぜかしら? リディアに関しては、ヘレナをイメージするキャラクターとは若干違うのだけれど、オースティン作品の奔放で情熱的な役どころに関しては、どうもヘレナを彷彿とさせる女優が多いのは気のせいだろうか。

とはいえ、よくまとまった作品になっています。
オースティンのこの作品をモティーフにしたと思われるのが、『ブリジット・ジョーンズの日記』でしょう。あの突然の展開や「マーク・ダーシー」という名前(2001公開の映画では、マーク・ダーシーを演じたのがこれまたコリン・ファース!)からも、すぐにピンッときました。それにしても、ダーシーはやっぱりかっこいい!!


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