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しあわせな孤独(2002) [洋画・ドラマ]

しあわせな孤独.jpg

今回はデンマーク映画「しあわせな孤独」(2002 デンマーク/原題:ELSKER DIG FOR EVIGT OPEN HEARTS [米])です。

なんていうか、重い映画でしたね。
さらに言えば、理解できるところもあるのだけれど、非常に腹がたちました。

監督はCMやミュージックビデオも手掛けるデンマークの新鋭スザンネ・ビエール。ラース・フォン・トリアー監督が提唱する“ドグマ”(人工的な照明を使わずに手持ちカメラのみでロケーション撮影を行う手法)を用い、本国で大ヒットした作品だそうですが。
とりあえず、出演は、ソニア・リクター、マッツ・ミケルセン、ニコライ・リー・カース、パプリカ・スティーン、スティーネ・ビェルレガードなど。


結婚を約束し、その日を楽しみにしていたセシリ(ソニア・リクター)とヨアヒム(ニコライ・リー・カース)。ヨアヒムは博士号取得を目指しており、ある日、地質調査に出かけることとなった。セシリは嫌な予感がし、23歳にして未亡人になるのかとヨアヒムに言うが、心配のしすぎであるとなぐさめられ、結局は快く送り出すこととなる。

ヨアヒムを送り出す日、車から降り、最後の別れをするヨアヒムが突如として交通事故に見舞われる。一命を取り留めたものの首から下が不随となり、絶望感から心を閉ざすヨアヒムと、彼に拒絶され打ちひしがれるセシリ。
彼を轢いたのは、彼が運ばれた病院の医師ニルス(マッツ・ミケルセン)の妻マリー(パプリカ・スティーン)だった。車の中で娘のスティーネ(スティーネ・ビェルレガード)と口論になり、スピードの出しすぎと前方不注意による事故だった。

ニルスは責任を感じ、セシリの支えになろうと優しく接する。ヨアヒムに拒絶されて苦しむセシリは、話し相手になってくれるニルスに心の安らぎを見出し、ニルスもまた、セシリに感心を示すようになる。

ヨアヒムに拒絶され、責められ、病室から追い出されたセシリは、ニルスに電話し、ニルスは彼女のそばにいてあげることを申し出、寄り添ううちにやがてふたりは深い関係に。

事故以来、スティーネの心は不安定になり、そして父親ニルスの様子が変であることに気づく。セシリとの仲を疑うスティーネは、父親の行動を監視し、やがて2人の仲が深いものであることを知る。
スティーネがセシリの元に乗り込んでいったことにより、セシリとニルスの関係に、マリーも気づく。逆上するマリーに対し、ニルスは自分の心がもう後戻りできなくなっていることに気づく。家族を捨て、セシリの元に向かうニルス。

ようやく安らぎを得る2人だったが、ヨアヒムがセシリを呼んだ。ヨアヒムに拒絶されたことに傷ついていたセシリの心は、ヨアヒムが自分を受け入れてくれたことをきっかけに現実に引き戻され、大きく揺らぎ始める。ニルスへの思いは、ヨアヒムへの気持ちはどのように変わっていったのか・・・。



正直いって、この中で1番不幸なのは、いきなりの事故で人生をめちゃくちゃにされ、絶望に打ちひしがれているヨアヒムだと思うし、どうすればいいかわからなくなり、セシリに八つ当たりする気持ちも、まぁ理解できます。看護士のハンネさんに悪態をついている姿を見る限りでは、けっこうひどいと思うけれど。

結婚を控え、突然の事故で婚約者が変わってしまったセシリの気持ちも、理解はできます。突然のことにショックを受けながらも、彼への愛のため、自らが一生背負うであろう介護の負担を知りながらも、彼の力になろうと必死になっている彼女にとって、ヨアヒムに拒絶されることの苦しみや悲しみは想像を絶するものでしょう。

お互いに相手を想いながらも傷つき、どうしていいかわからなくなっている2人の姿は理解できます。

しかし、加害者の身勝手さには辟易。
事故のせいで精神が不安定になっていくスティーネの姿は理解できるとしても、苦しんでいるセシリに対して「苦しんでいるのはあなただけじゃない」と言い放つマリーには、???です。

加害者だって、そりゃあ苦しむでしょう。でも、自分は1人の人間の人生を狂わし、そしてその彼を愛するセシリの人生を狂わせた張本人なのに、旦那の浮気なんぞに振り回されてセシリを攻撃するなんて、身勝手にもほどがある。

浮気は許されることではないけれど、攻撃する相手を間違えている。セシリではなく、ニルスでしょうが。

このニルスも、セシリに会いに行く際に、メガネを外して色気づいている姿を見たときは、なんとも言えない気持ちになりました。浮気する気まんまんじゃないか、と。
そして、真面目なニルスは、セシリに本気になり、セシリの方では少し躊躇が。

だって、仕方ないよ。彼女は元々ヨアヒムが1番なんだから。
それでも彼を受け入れるセシリに、これまた身勝手なニルスの態度。家族にバレそうになると逃げ腰になり、家族にバレると開き直って家を出てしまうニルス・・・最低ですね。

加害者家族の滑稽さは、「アメリカン・ビューティー」(1999)にも通じるものが。

もう、被害者側がかわいそうで見ていられなかったです。
これが人間のリアルな心理かと言われたら、確かにそうかもしれません。だからこそ、ヒットしたのだろうし、こんなにも腹が立つのでしょう。

この映画を見るきっかけとなったのは、実は、女優を見間違え、キャメロン・ディアス主演だと思ってしまったんです。

「へぇ~、キャメロンがこういう映画に出てたのか」と思って、なんとなく見てたら、キャメロンとはまったく違う女優でした。

いろいろと腹の立つところも多いけど、全体的にみれば、よくできた作品だと思います。
カメラの使い方も面白いし、人気があったのもわかるなぁ。エンディングも納得のいくようなものだったし。

あと、スティーネ役の子がかわいくてかわいくて。ちょっとおでこが出ているけど、かわいらしい顔をしています。今後が楽しみ、かな。

この映画をみた瞬間は、ものすごく腹が立っていましたけど、映画としてみれば、けっこうシュールで面白かったりするわけだし、それでいいかと。


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