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ウォルト・ディズニーの約束(2013) [洋画・ドラマ]

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1964年のディズニー映画「メリー・ポピンズ」の製作背景を描いた、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、BBCフィルムズ、エッセンシャル・メディアによるヒューマンドラマ「ウォルト・ディズニーの約束」(2013 アメリカ・イギリス・オーストラリア、原題: Saving Mr. Banks)
監督はジョン・リー・ハンコック、脚本はケリー・マーセル、スー・スミス。
出演は、エマ・トンプソン、トム・ハンクス、ポール・ジアマッティ、ジェイソン・シュワルツマン、ブラッドリー・ウィットフォード、コリン・ファレル。



1961年のロンドンでは、イギリスの女性作家であるパメラ・L・トラヴァース(エマ・トンプソン)が、新作もなくお金に困り、お気に入りのメイドを解雇することになっていた。
彼女は、この家だけは手放したくないと思いながらも、気難しい性格のため、20年来、毎年のようにウォルト・ディズニー社から自著『メリー・ポピンズ』の映画化についての申し出も断り続けている。しかし、財政的に苦しくなっていることも事実であり、気に入らなければ契約を結ばなければ良い、ロサンゼルスへの調査旅行と思えば良いという代理人の説得で、ロサンゼルスに向かうことになる。
ウォルト・ディズニー社とは、「ミュージカルなし」「アニメなし」の他、そして脚本はパメラが関与し、納得のいくものにすることが条件となっていた。

ロサンゼルスは蒸し暑く、1907年にオーストラリアのクイーンズランド州で過ごした幼少時代を思い出させた。
ディズニー社が用意したビバリーヒルズホテルの部屋には、ミッキー・マウスをはじめ、たくさんのキャラクター人形があふれ、テーブルに置かれた果物の山から洋ナシを見つけると、パメラはそのつらく悲しい思い出に耐えきれず、ベランダから外のプールに投げ捨てるのだった。
心を落ち着けようとテレビをつけると、今度はウォルト(トム・ハンクス)がディズニーランドを案内していた。
アメリカのメディアに君臨する、子どものように陽気で無邪気なウォルトの姿に、パメラは大切なメリー・ポピンズをお金のために売り渡そうを考えている自分と、メリー・ポピンズを欲しがる軽薄なアメリカ人であるウォルトに怒りすら覚えるのだった。

ディズニー社に行くと、ウォルトは、原作を汚さないことを約束する。
しかし、ミュージカルはダメだと断っていたのに作曲担当のシャーマン兄弟(ジェイソン・シュワルツマン、B・J・ノヴァク)が待っており、脚本家のドン・ダグラディ(ブラッドリー・ウィットフォード)には、メリー・ポピンズが能天気な子どもの救済者として、そしてバンクス氏が子どものことを退ける冷徹な銀行員として描かれ、パメラは、大切な家族が侮辱されて汚されることに猛烈に反発する。

ディック・ヴァン・ダイクの出演はダメ、作曲した「チム・チム・チェリー」を聞かせてもダメ、「画面に赤色は使うな」と指示し、『メリー・ポピンズ』のことを理解していないと原稿を窓から捨ててしまうのだった。
ディズニー社のスタッフは、映画化のため、必死にメリー・ポピンズを理解しようと努力し、奮闘するが、それがパメラに伝わることはなかった。

パメラにとっても、メリー・ポピンズと向き合うことは、自分の過去と向き合うことでもあった。
パメラは、『メリー・ポピンズ』の子どもたちの父親・バンクス氏のモデルとなった銀行員の父トラヴァース・ゴフ(コリン・ファレル)と過ごしたオーストラリアでの子ども時代を思い出していた。
父は、自分たちにはケルト人の魂があるといい、特にパメラのことをかわいがってくれた。
夢を見ることを忘れるな、というのが父の口癖だった。

しかし、現実は、父の仕事はうまくいかず、一家は野原の一軒家に引っ越す。
引っ越し先でも、父はつらい現実から逃避するように酒を飲み、アルコール中毒となり、失敗をくり返していた。母マーガレット・ゴフ(ルース・ウィルソン)は、シドニーに暮らす自分の姉エリー(レイチェル・グリフィス)を頼ろうとするが、父はそれを拒否し、そのエリーを「西風」と呼んで避けていた。

アルコールが原因で父は体を壊してしまう。
幼いパメラは、学校で作った詩を父に渡すが、「イェイツには及ばない」と拒絶され、父の歓心を買うために、母が隠していた酒を父親に渡してしまう。絶望感に陥った母は入水自殺を計るが、パメラはそれをなんとか食い止める。
その中、メリー・ポピンズのようにやってきた「西風」のエリーおばさんが新しい薬をいっぱい持ってやって来る。
一家に、平穏が戻ったかのように思えた。
エリーおばさんからもらった2ペンスで、父に何が欲しいかと尋ねると、洋ナシがほしいという。
パメラはよろこび勇んで出かけるのだった。
しかし、パメラが洋ナシを買い、家に戻ると、父は亡くなっていた。
そのときだった。
パメラの父に対する思いは、昇華されることなく、地べたをはいずるようにとどまるのだった。

父との思い出、父への思いを抱きながら、ロサンゼルスの地で孤独にさいなまれるパメラだったが、障害のある娘を持つリムジン運転手のラルフ(ポール・ジアマッティ)にはふしぎな友情を感じていた。

ウォルトは、脚本にことごとく反対するパメラの心の悲鳴を感じていた。
そこで、自らパメラをディズニーランドに案内し、メリーゴーラウンドに乗せる。パメラは、子ども時代の楽しい思い出をふりかえるのだった。
また、ディズニー社に戻ると、気難し屋で冷徹な銀行家バンクス氏の性格が子どもを思う父親のものに変えられていた。
パメラの心が少しずつ開かれていくのだった。

そんなとき、ペンギンの映像をどうするか、という話から、ペンギンをアニメとして描くのだと知り、パメラは激怒して帰国する。

ウォルトは、ホテルの請求書から、パメラが、父の「トラヴァース」の名前を名乗っていたことを知り、次の便でロンドンまで追いかける。
そして、パメラに、自分にもバンクス氏がいる、と語る。
同じアイルランド系移民で、貧しくて辛かった少年時代と厳しかった父との確執の話をするウォルトは、自分は、父親を救いたいのだと話す。厳しかった父を許したいのだと。そのためにメリー・ポピンズが必要なのだと語る。
メリー・ポピンズが救うのは子どもではなく、父親なのだ、と語る。映画の中でバンクス氏を救うことで、世の父親は励まされるだろうと説得するのだった。
パメラは、メリー・ポピンズの映画化の契約書にサインする。

映画が完成し、メディアの騒騒しさの中にパメラを置くことを躊躇するウォルト。
パメラは、招待状が届いていないから行かないと代理人に言うが、「メリー・ポピンズだったらどうするか」と問われて、チャイニーズ・シアターでのプレミアに駆けつける。
そして、バンクス氏が銀行を辞め、子どもたちとともに凧を揚げるシーンに、パメラは父を許し、父から許されたのだと感じるのだった。

メリー・ポピンズは興行的も成功するのだった。




「メリー・ポピンズ」が制作されたころのウォルトは、さまざまな苦難を経て、アニメーション制作ではなく、ディズニーランドの建設によって人々に「理想のアメリカ」を提供しようと考えていた時期です。その時期に、実写映画に乗り出したということになります。
映画のラストで、テープレコーダーが映り、ディズニースタッフとパメラの肉声が流れます。
本当に、パメラが「NO!」と言い続けていたのだということと、メリー・ポピンズが父親の救済を描いたものだということがよくわかりました。
映画の全編に流れる、メリー・ポピンズの名曲の数々に酔いしれ、映画のシーンとパメラの回想が重なりあい、とても良い映画でした。

エマ・トンプソンも、よくこの難しい役をこなしたと思います。
こういう親に対する思いをテーマにした脚本は、心に残ります。なぜなら、人間にとって、親は必ずいますし、親への思いと確執と和解は、不変のテーマですから。

クリスマスの時期に見ると、また感動もひとしおです。



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マルティナは海(2001) [洋画・ドラマ]

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イタリア映画「マルティナは海」(2001 スペイン/原題:SON DE MAR)です。
ペネロペ・クルスを見い出した事でも知られるビガス・ルナ監督の映画ということですが、意味がわかりません。

映画の宣伝コピーが「深い深い海の底でも、消せない愛。」・・・内容を見ても、意味不明です。
とりあえず、作品紹介をしましょう。

監督はビガス・ルナ。
出演はレオノール・ワトリング、ジョルディ・モリャ、エドゥアルド・フェルナンデスなど。


地中海に面した小さな港町。オレンジ畑に囲まれた小さな町の高校に文学の教師がウリセス(ジョルディ・モリャ)が赴任してくる。教室で「オデュッセイア」を講じ、「アイネイス」を愛読する。ウリセスは、カフェの美しい娘、マルティナ(レオノール・ワトリング)に心奪われるが、彼女には、町の若き有力者シエラ(エドゥアルド・フェルナンデス)も言い寄っている。

しかしロマンチストのマルティナは、シエラよりも、カフェの2階に下宿し、美しく官能的な詩をきかせてくれるウリセスに心惹かれていく。

「静かな海の底から二匹の蛇が現れる。巨大なとぐろを巻いて、波の上へ。一匹が私の周りで二度渦を巻いて襲いかかる。そして二重に巻きつき体を強く締めつける」

ウリセスの詩に官能の悦びを覚えるマルティナ。

やがてマルティナの妊娠によって2人は結婚し、アベルと名づけた息子と3人の生活が始まる。しかし平穏な日々の中で徐々に2人の間に溝が生まれていく。そしてある日、ウリセスは舟で釣りに出たまま帰ってこなかった。

数年後、シエラと再婚したマルティナは、有力者の妻としての日々を楽しんでいた。アベルはシエラを父と信じて大きくなり、それなりに幸せな日々。そんなある日、1本の電話がマルティナの心をかき乱す。

「世界中の海を旅して気がついた。僕は君なしでは生きられない」・・・死んだはずのウリセスの声だった。マルティナの体に、ウリセスと愛し合った残り香がよみがえってきた。

ウリセスの帰還を隠すため、そして今度こそウリセスを自分のものだけにするため、マルティナは、裁判で売買が中止されているシエラのマンションの一室にウリセスを閉じこめる。

ブラインドを下ろした薄暗い部屋の中で失われた愛の時間を埋めていく2人。しかし、マルティナの変化に気づいたシエラは、嫉妬し、マルティナを家から追い出してしまう。行き場のなくなった2人は、クルーザーに乗り込み、海に出たのだったが・・・。



レオノールはかわいかったです。あれだけ官能的なシーンが多いにも関わらず、「かわいい」と思わせるものがあります。
役者自体は、そんなに問題はないと思います。エドゥアルド・フェルナンデスも、一歩間違えば単なる憎まれ役のシエラ役を好演していました。

しかし、内容が理解できません。
他の女と逃げたのに、のこのこと舞い戻ってきたウリセスと、そんな彼を受け入れてしまうマルティナ・・・単なる色情狂状態です。夢見る男と、夢見る女が、現実の厳しさにぶつかって、男は逃げ出し、女は現実を受け入れる。しかし、夢見る男女は昔が忘れられず、ふたたび理性もなにもかも吹っ飛ばして夢にひたる。

ラストで、ウリセスが死を受け入れ、マルティナが死を拒絶するシーンでは、2人の温度差を感じてしまいます。なのに、なぜかその後のシーンで「2人は死によってやっと結ばれた」的演出があり、???でした。

役者はそれぞれ上手なのに、映像はきれいなのに、なぜこんなにも腹が立つような内容なのだろう。

ウリセスのキャラが、非常に腹が立つから?
マルティナのキャラが、打算的なくせにお子ちゃまだから?
ラストの解釈が、受け入れがたいから?

確かなことは、ホラーやスリラーものと同様に、官能映画も好きじゃないってことでしょうか。
やはり、好みの問題ですね、こればかりは。


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しあわせな孤独(2002) [洋画・ドラマ]

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今回はデンマーク映画「しあわせな孤独」(2002 デンマーク/原題:ELSKER DIG FOR EVIGT OPEN HEARTS [米])です。

なんていうか、重い映画でしたね。
さらに言えば、理解できるところもあるのだけれど、非常に腹がたちました。

監督はCMやミュージックビデオも手掛けるデンマークの新鋭スザンネ・ビエール。ラース・フォン・トリアー監督が提唱する“ドグマ”(人工的な照明を使わずに手持ちカメラのみでロケーション撮影を行う手法)を用い、本国で大ヒットした作品だそうですが。
とりあえず、出演は、ソニア・リクター、マッツ・ミケルセン、ニコライ・リー・カース、パプリカ・スティーン、スティーネ・ビェルレガードなど。


結婚を約束し、その日を楽しみにしていたセシリ(ソニア・リクター)とヨアヒム(ニコライ・リー・カース)。ヨアヒムは博士号取得を目指しており、ある日、地質調査に出かけることとなった。セシリは嫌な予感がし、23歳にして未亡人になるのかとヨアヒムに言うが、心配のしすぎであるとなぐさめられ、結局は快く送り出すこととなる。

ヨアヒムを送り出す日、車から降り、最後の別れをするヨアヒムが突如として交通事故に見舞われる。一命を取り留めたものの首から下が不随となり、絶望感から心を閉ざすヨアヒムと、彼に拒絶され打ちひしがれるセシリ。
彼を轢いたのは、彼が運ばれた病院の医師ニルス(マッツ・ミケルセン)の妻マリー(パプリカ・スティーン)だった。車の中で娘のスティーネ(スティーネ・ビェルレガード)と口論になり、スピードの出しすぎと前方不注意による事故だった。

ニルスは責任を感じ、セシリの支えになろうと優しく接する。ヨアヒムに拒絶されて苦しむセシリは、話し相手になってくれるニルスに心の安らぎを見出し、ニルスもまた、セシリに感心を示すようになる。

ヨアヒムに拒絶され、責められ、病室から追い出されたセシリは、ニルスに電話し、ニルスは彼女のそばにいてあげることを申し出、寄り添ううちにやがてふたりは深い関係に。

事故以来、スティーネの心は不安定になり、そして父親ニルスの様子が変であることに気づく。セシリとの仲を疑うスティーネは、父親の行動を監視し、やがて2人の仲が深いものであることを知る。
スティーネがセシリの元に乗り込んでいったことにより、セシリとニルスの関係に、マリーも気づく。逆上するマリーに対し、ニルスは自分の心がもう後戻りできなくなっていることに気づく。家族を捨て、セシリの元に向かうニルス。

ようやく安らぎを得る2人だったが、ヨアヒムがセシリを呼んだ。ヨアヒムに拒絶されたことに傷ついていたセシリの心は、ヨアヒムが自分を受け入れてくれたことをきっかけに現実に引き戻され、大きく揺らぎ始める。ニルスへの思いは、ヨアヒムへの気持ちはどのように変わっていったのか・・・。



正直いって、この中で1番不幸なのは、いきなりの事故で人生をめちゃくちゃにされ、絶望に打ちひしがれているヨアヒムだと思うし、どうすればいいかわからなくなり、セシリに八つ当たりする気持ちも、まぁ理解できます。看護士のハンネさんに悪態をついている姿を見る限りでは、けっこうひどいと思うけれど。

結婚を控え、突然の事故で婚約者が変わってしまったセシリの気持ちも、理解はできます。突然のことにショックを受けながらも、彼への愛のため、自らが一生背負うであろう介護の負担を知りながらも、彼の力になろうと必死になっている彼女にとって、ヨアヒムに拒絶されることの苦しみや悲しみは想像を絶するものでしょう。

お互いに相手を想いながらも傷つき、どうしていいかわからなくなっている2人の姿は理解できます。

しかし、加害者の身勝手さには辟易。
事故のせいで精神が不安定になっていくスティーネの姿は理解できるとしても、苦しんでいるセシリに対して「苦しんでいるのはあなただけじゃない」と言い放つマリーには、???です。

加害者だって、そりゃあ苦しむでしょう。でも、自分は1人の人間の人生を狂わし、そしてその彼を愛するセシリの人生を狂わせた張本人なのに、旦那の浮気なんぞに振り回されてセシリを攻撃するなんて、身勝手にもほどがある。

浮気は許されることではないけれど、攻撃する相手を間違えている。セシリではなく、ニルスでしょうが。

このニルスも、セシリに会いに行く際に、メガネを外して色気づいている姿を見たときは、なんとも言えない気持ちになりました。浮気する気まんまんじゃないか、と。
そして、真面目なニルスは、セシリに本気になり、セシリの方では少し躊躇が。

だって、仕方ないよ。彼女は元々ヨアヒムが1番なんだから。
それでも彼を受け入れるセシリに、これまた身勝手なニルスの態度。家族にバレそうになると逃げ腰になり、家族にバレると開き直って家を出てしまうニルス・・・最低ですね。

加害者家族の滑稽さは、「アメリカン・ビューティー」(1999)にも通じるものが。

もう、被害者側がかわいそうで見ていられなかったです。
これが人間のリアルな心理かと言われたら、確かにそうかもしれません。だからこそ、ヒットしたのだろうし、こんなにも腹が立つのでしょう。

この映画を見るきっかけとなったのは、実は、女優を見間違え、キャメロン・ディアス主演だと思ってしまったんです。

「へぇ~、キャメロンがこういう映画に出てたのか」と思って、なんとなく見てたら、キャメロンとはまったく違う女優でした。

いろいろと腹の立つところも多いけど、全体的にみれば、よくできた作品だと思います。
カメラの使い方も面白いし、人気があったのもわかるなぁ。エンディングも納得のいくようなものだったし。

あと、スティーネ役の子がかわいくてかわいくて。ちょっとおでこが出ているけど、かわいらしい顔をしています。今後が楽しみ、かな。

この映画をみた瞬間は、ものすごく腹が立っていましたけど、映画としてみれば、けっこうシュールで面白かったりするわけだし、それでいいかと。


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海の上のピアニスト(1999) [洋画・ドラマ]

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感動の人間ドラマ「海の上のピアニスト」(1999 イタリア=アメリカ/原題:THE LEGEND OF 1900)
監督はジュゼッペ・トルナトーレ。微妙な人間ドラマはイタリア映画の十八番かも。
出演はティム・ロス、プルイット・テイラー・ヴィンス、メラニー・ティエリー。


伝説のピアニストの半生を、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレが感動的に描いている。

1900年、大西洋上を行く客船の中で生後間もない赤ん坊が見つかった。その子供は、生まれた年にちなんで“ナインティーン・ハンドレッド”と名付けられるが、子供と引き離されることを恐れた拾い主によって法的な届け出はなされず、国籍もなく、法的にその身分を証明するものがなにもない、いわゆる、この世には「存在しない人」でもあった。
彼の世界は、艫から舳までの限りある空間、つまりこの大きな客船。船内のダンスホールでピアノを聞いて育つうちに、彼は音楽の才能を開花させるが、小さな世界での無限の想像力が、彼の才能の源であった。やがて彼は恋を知り、自分の世界を見つめなおす。その彼が出した自分の存在する世界とは・・・。



普段、何気なく受け入れている「常識」や「世界」の正体を知り、その中に属している自分の存在理由を見つめ直すなんて、ここしばらく考えたことはないけれど、たまには考えなきゃいけないなぁ。
美しいピアノの旋律に合わせて描かれる、客船という非日常的な世界が持っている刹那的な甘美さと、主人公たちの複雑な心理描写は、必見です。ノスタルジックな雰囲気がまた、たまらないんですよ。


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アメリカン・ビューティー(1999) [洋画・ドラマ]

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映画館に足を運んだのは、ひさしぶりだ。紹介するのは現在上映中の「アメリカン・ビューティー」(1999 アメリカ/原題:AMERICAN BEAUTY)
監督は サム・メンデス。

アカデミー賞を5部門受賞したとはいえ、どんな映画か観るまでまったく見当がつかなかった。映画情報を見ても、ピンとこない内容で、冗談で「アメリカのミス・コンの話」だの「アメリカ人のビューティーちゃんの話」などと言っていたが、実際に見て、これは、説明しにくいだろうと、納得した。
とはいえ、それは内容がないためではなく、内容がつまりすぎて、いろんな問題が秘められているからだ。


主人公のレスター・バーナムは42歳で突然死を迎えることになるが、とはいえ、それまでの人生が「生きて」いるわけでもなく、むしろ死んだも同然だった。
娘ジェーンの友達アンジェラに一目ボレしてしまったことによって、レスターは、社会の一員となる、すなわち普通のなんでもない生き方が大きな枷を自分に与えていることに気づく。そして自己を解放するわけだが、しかし、それは本当に枷なのだろうか、と、私などは思ってしまうし、レスターもラストの死ぬ間際にそれを感じるのだ。

そんなふうに感じさせるのは、観客から一線置いたドラマ作りのせいだろう。ドラマを第三者として冷静に見つめることによって、けっこう考えさせられることも多い。

コケティッシュで娼婦的性格のアンジェラは、このドラマの中でそれぞれの精神の解放と美への探求をうながす、「天使」の役割を持っていると思う。
「アンジェラ」とい名前も、案外、そこから来ているんじゃないかな。
そして、レスターを殺害する人物についてだが(犯人の名前は伏せておこう)、その動機が、けっこう謎を呼んで、見終わってからもずいぶんと楽しませてくれる。

見せてくれるぜ、これは。とにかく、「アメリカのミス・コン」や「アメリカ人のビューティーちゃん」の話でなくて、ほっとした。


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禁じられた好奇心(1985) [洋画・ドラマ]

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今回は、「禁じられた好奇心」(1985 ユーゴ/原題:UNA, MY LOVE)を紹介。
このタイトル、どこかで見たことがあるなぁ~、と思った方は「VIDEO MANIA」の常連様ですね。「マスカレード 甘い罠」(1988)のときに、タイトルを紹介したものです。ちょっとアダルトチックですが、まさかアダルトコーナーに置かれてはいないはずです。まさか、そんなことは・・・ちょっと不安になってきました。

監督はミロス・ミシャ・ラディヴォジェビッチ。
原作はユーゴの著名な作家モモ・カブールの「UNA」で、性的描写と体制批判で物議をかもしだした話題作。舞台はユーゴの古都ザグレブ。
出演は、ソーニャ・サヴィッチ、ラデ・セルベドジーヤ、ミレナ・トワヴィッチなど。


妻子ある大学教授ミシェル・バビッチは、たいへんな人気教授だが、その名声などをねたむ学部長によって講義がキャンセルされたり、著書が出版差し止めにされたりする。また、学部長は、ミシェルの人気講義である「マスメディア社会学」を履修し、学校新聞でミシェルにインタビューしたいと考えている外交官の娘である子悪魔的魅力美少女「ウナ」を使って、ミシェルをプライベートな面から叩き潰そうと計画。ウナをミシェルに近づけ、その会話を逐一テープに入れることを要求する。

乗り気ではないウナも、麻薬密輸で捕まった恋人ゴランをネタに脅され、その釈放を条件で要求を受け入れる。インタビューを繰り返しているうちに、ウナはミシェルに興味を持ち始め、ミシェルもウナに興味を持ち始める。しかし、その裏では学部長の執拗な陰謀もあって・・・。



全編通してアンニュイな雰囲気が漂うこの映画。ミシェルの言葉から、自分を排斥しようとする体制に対する不満や不安が漂い、それがウナへの興味に反映されていく。最初は、確かにモザイクたっぷりの映像にドキドキしてしまったが、今は、そこに漂う主張になんだかぐっときますねぇ。


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ジェニーの肖像(1947) [洋画・ドラマ]

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「ジェニーの肖像」(1947 米/原題:PORtrAIT OF JENNIE)を紹介。
監督ウィリアム・ディターレ。
主演ジェニファー・ジョーンズ。


メトロポリタン美術館にある「ジェニーの肖像」にまつわる物語という内容。
売れない画家のエブン・アダムス(ジョセフ・コットン)は、空腹のあまりセントラルパークをふらふらしていると、時間が揺らぐような感覚を覚え、そこでジェニー(ジェニファー・ジョーンズ)という少女と出会う。ランズエンドの灯台の絵に怯えるジェニーは不思議な魅力を持った少女で、少女のおかげでエブンはインスピレーションを得て、彼女を描いたデッサンは画商の評判もよく、才能を開花させる。

ジェニーは過去からきた少女で、会うたびに何年分も大人になっていった。ふたりは惹かれあい、エブンは少女の正体を、その居場所を突き止めようとする。そしてとうとう時を超えてエブンは彼女を見つけるのだが、そこは荒れた海原だった。



ずーっと白黒なのに、最後のメトロポリタン美術館に展示されている肖像画のみがカラーだったり、津波シーンをワイドで上映したりと、実験精神に溢れている。それにしても、10歳かそこらの少女から24歳くらいの女性を演じきったジェニファー・ジョーンズはすごいし、その圧倒的な美しさを堪能できる。おもしろい映画だ。がんばって、ゲットだ、諸君っ。


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ミクロキッズ(1989) [洋画・ドラマ]

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映画を見ていると、いろいろと流行があるのか、映画の最初がアニメになっている映画ってあるよね。今回はその映画を取り上げてみましょう。まず、認知度が高いと思われるのは、「ミクロキッズ」 (1989 米/原題:HONEY, I SHRUNK THE KIDS!)でしょう。
製作会社は、言わずと知れたウォルト・ディズニー・プロ。
監督はジョー・ジョンストン。


父親の発明した物体縮小装置が誤って作動した結果、6mmというミクロ・サイズになった、あまり仲良くない2つの家の4人の子供達が裏庭で大冒険を繰り広げる。
巨大昆虫の人形などの映像技術もさることながら、2日間の小さな大冒険を経た子どもたちの成長ぶりが、とっても印象的で、けっこう好きです。それに、はじめはけっこう仲が悪かった2つの家の親や子どもたちが、次第に仲良くなっていくというのも、ディズニーっぽくて、よかったなぁ。


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恋に焦がれて(1992) [洋画・ドラマ]

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「青い珊瑚礁」と同様に、子どもの心理描写といえば、「禁じられた遊び」とか「妖精たちの森」「鉄道員」「わんばく戦争」(いずれも洋画です)など、いろいろな映画で見られます。

そこで、気に入っている作品を1つ紹介。「恋に焦がれて」(1992 米/原題:THAT NIGHT)
監督は、クレイグ・ボロティン。


50年代半ばのニューヨーク郊外で、主人公アリスは、向かいの家に住む高校生シェリルに憧れている。本当の主人公は、ジュリエット・ルイス演じるこのシェリル役らしいが、私にとっては、アリスが主人公だ。

しつけの厳しいカソリック女子高に通うシェリルは、放課後になるとかなり派手に遊びまわっていた。大好きなパパを突然亡くした彼女は、自分を気づかってくれる不良少年と純粋に愛し合うようになる。しかし、ふたりの愛は母親をはじめ、周囲のおとなたちは理解してくれない。ふたりはそれらに反発するようにますます愛し合うが、シェリルの妊娠によって冷たい現実が・・・。



小学生のアリスは、シェリルの恋を通して、恋というものはなにかをおぼろげながらも知っていくのです。とてもかわいい映画で――つい、これも観てしまいましたよ、先日。オススメです。


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マスカレード 甘い罠(1987) [洋画・ドラマ]

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新聞のテレビ欄を見ていると「マスカレード 甘い罠」(1987 アメリカ/原題:MASQUERADE)を見つけた。
このタイトル、学部時代に見たシネマガイド(?)の中で、確かアダルト系に入っていたような記憶があるため、ちょっとドキドキしてしまった。
かつて「禁じられた遊び」と間違えて「禁じられた好奇心」を観たときの、そのモザイクたっぷりの映像にドキドキしたのと同じ、ドキドキだ。しかし、内容はそれほどアダルトチックではなく、主演もロブ・ロウだし、観てみると――なんか、観たことのある映像だ。
うん。確かに観たことがあるぞ。

監督はボブ・スウェイム。

内容は、富豪に雇われたヨットマンのティム(ロブ・ロウ)は、やがて夫人のブルック(キム・キャトラル)と情事を重ねるようになるが、その頃、寄宿舎生活から戻ってきたオリヴィア(メグ・ティリー)が莫大な遺産の相続人だと知ったティムは、オリヴィアと結婚し、そして殺害してその財産を横領しようと、彼女の幼なじみであり、自分とはヨットマン仲間である警察官と企むというもの。

ティムはまんまと彼女と結婚するが、やがて次第に彼女に惹かれていき、計画どおり彼女を殺害しようという警察官と仲間割れになる。そして、彼女を助けるためにティムは・・・。



ロブ・ロウの以前の恋人役として、「マネキン」で一躍有名になったキム・キャトラルが出ているではないか。ひさしぶりだなーと、思いながらも、ロブ・ロウのハンサムぶりに、クラッ。

なんていったらいいか。彼の姿を見て、「エデンの東」のジェームス・ディーン、若き日のアラン・ドロン、そんでもって、なぜか「Mバタフライ」のジョン・ローンを思い浮かべてしまうなんて、どこかに共通点があるはずなのだが、自分でもうまく説明できないだけに難儀なこった。

それにしても。
いいねぇ、ロブ・ロウのちょっと甘ったれた、しかも影のある(さらにいえば、どっかイッちゃった感じの)美男ってのは。金持ちの女をたらしこむキャラで、よほどイイ味出していたからなのか、「冷たいキス」(1990)でも女をたらしこんでいる。

実をいえば、ここ数日ばかり『風と共に去りぬ』を読み返して、頭の中はレット・バトラー一色だったのだ。はじめて読んだときのあの衝撃! あれから、かれこれ数年が経ったが、ようやくレットとスカーレットのすれ違いの愛と、その悲劇的結末の必然性を理解できた。読んでいくうちに味わい深くなるっていうのは、やはり名作といえるだろう。これぞ「文学」の醍醐味ってやつさ。

ともあれかくもあれ、レット一色だった(レットを愛するあまり、クラーク・ゲーブルも愛したなぁ、昔は)脳に、ロブ・ロウがいきなり乱入し、でんっと居座ってしまった。こうなったら、しばらくは頭の中はロブ・ロウ一色だ。すごいぞ。
さて、次は誰に夢中になるんだろうなぁ。楽しみっ。


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