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下町ロケット(2015)第1話 [ドラマ(日本)下町ロケット]

研究者としての夢と、経営者としての現実。
その間でゆれ動く航平の心は、本当にリアルです。
そして、大企業を相手にしたときの弁護士の動きもリアルです。

もちろん、フィクションですから、それなりにフィクションの要素が加わっていますが、業界を知っている者にとっては、業界あるあるネタもそこかしこにちりばめられているので、フィクションなりに楽しめる要素もあります。
かつて、「半沢直樹」で銀行員たちが、いろいろな反応を示した理由がよくわかります。


【ストーリー】

主人公・佃航平は、宇宙科学開発機構(JAXS)の研究員。
自身が開発したエンジン「セイレーン」を載せた念願のロケットが、種子島宇宙センターから打ち上げられた。
成功したかに見られたロケットは、打ち上げ直後に軌道を離れ、結果、失敗。その失敗の責任を取らされて、航平は父親がのこした下町の工場「佃製作所」を継ぐことになる。

それから7年。
昭和39年創業の佃製作所(東京大田区)は、精密機器製造業を営む中小企業であり、かつては電子部品を主力としていたが、航平の社長就任に伴い、小型エンジンの製造を主力として年商は3倍となった。年商100億円に満たない中小企業であったが、エンジン開発技術においては大企業をもしのぐという評判である。が、この研究開発費は膨大であり、また、商品化に結びつけるのは一朝一夕には叶わなかった。

主要取引先の京浜マシナリーからの突然の取引終了の通知、さらなる融資を頼んだメインバンクである白水銀行からは融資を渋られる。
中小企業なら中小企業らしく、目先の利益のために、ロケットエンジンよりももっと実用的な開発を、という柳井のことばに、航平は苛立ちを覚える。
そんな航平に、殿村は、JAXSと帝国重工による新たな純国産ロケットの打ち上げ計画「スターダスト計画」の新聞記事を見せながら、こう訴えた。

社長はまだ、研究者だったころの夢が忘れられないんじゃないですか。
だから研究開発がやめられないんです。
だけどもう今は研究者じゃない。経営者なんです。
今は会社のこと、社員の生活のことを第一に考えてくれませんか。


殿村のことばに、航平は、宇宙にかける自分の夢と会社経営という現実に板挟みとなるのであった。
その中、ライバル会社のナカシマ工業から、主力商品である小型エンジン「ステラ」が特許侵害で訴えられる。
ナカシマ工業は、他社の製品を模倣した後に、逆に特許侵害で訴えて賠償金を取ることで有名な大企業である。京浜マシナリーの突然の取引終了も、ナカシマ工業のしわざかと苛立つ佃製作所関係者であるが、その法廷戦略の得意なナカシマ工業から訴えられたことで、白水銀行からは融資を断られ、続々と届く取引先からの取引終了の通知に、財政的にあと半年しか時間が残されていないという現実に追い詰められていく。
さらに家庭でも、航平は、娘・利菜との関係に悩んでいた。

裁判での戦いは、頼みの田辺顧問弁護士が、知財関係の知識に乏しく、また大企業相手ということで最初から及び腰であったため、第1回口頭弁論後に、航平は弁護士を変えることに。
そして、資金繰りに悩む航平に、これまで佃製作所とは一線を引いた関係だと思われていた殿村が、銀行と決別して佃製作所を守ろうと動きだす。白水銀行の定期を解約しても、半年のリミットが1年に延びただけであるが、その期間を利用して、改めて裁判で戦うことを決意する。

弁護士を探す航平たちであったが、大企業相手ということで、弁護を引き受けてくれるところは少ない。困り果てた航平は、離婚した元妻・沙耶に紹介された、知財関係に詳しい神谷修一弁護士に、ようやく活路を見出す。
神谷弁護士からは、裁判を引き受ける条件として2つ、提案が出される。
1つ目は、たとえ勝訴は濃厚でも、裁判の長期化に備えて、あと半年分の資金を調達すること。
2つ目は、今回のような事態を招かぬよう、これまの特許の内容を見直すこと。


神谷が、佃製作所の弁護士となったことを受け、ナカシマ工業は、水面下で策を講じる。
メインバンクからの融資を断られた佃製作所に融資をしてくれる銀行はなく、資金繰りに困り果てる航平たちに、山崎より、ベンチャーキャピタル「ナショナルインベストメント」が融資可能かもしれないという情報を持ってくる。これで半年の資金を確保できることになる。
第2回口頭弁論は、神谷によって順調に進む。しかし、そのとき、ナショナルインベストメント」からの融資の話が白紙となる。ナカシマ工業が裏で手を回していたのだ。
またしても資金繰りに困る佃製作所に、ナカシマ工業から和解の申し出があった。和解の条件は、佃製作所の株式51%の譲渡。つまり、実質上の買収である。ナカシマ工業の真の目的は、数々の特許を持つ佃製作所の買収であったことが明らかになる。航平は、資金の調達のため、白水銀行に再度融資を頼むため、研究開発をストップさせることを決意し、銀行に依頼する。しかし、ナカシマ工業の子会社となった方が銀行としてはメリットがあるという、銀行の答えは冷たいものであった。
会社を守ろうとする社員、ナカシマ工業の買収案を受け入れ、子会社として自らの生計を確保しようと考える社員など、佃製作所内でいろいろな思いが交錯する。

そのころ、帝国重工では、失敗が続いていたバルブシステムT-13型の最終燃焼試験が行われ、無事成功した。

帝国重工のバルブシステム燃焼試験成功の記事に、航平は、ナカシマ工業からの和解案を受け入れることを決意する。
その自分の決意を、山崎、殿村、津村、唐木田に伝える航平。そして自分が社長から退くことも伝える。

山崎、頼みがある。
どうか、作り続けてくれ。
ナカシマだろうと佃だろうと、そんなことどうだっていいんだ。
みんながこれまで必死になって培ってきた、技術や志を、次の世代につないでいってもらいたい。
技術の進歩が止まってしまったら、世の中の発展はない。
だから、どうかものづくりの火を消さないでくれ。


その航平のことばに、殿村は、他に手立てはあるはずだ、考えようと訴える。
技術があっても日の目をみない中小企業のために、自分は銀行員になった。その元銀行員として、佃製作所のような良い会社を、自分は守りたいと訴えるのであった。

その航平たちの姿に、神谷は、さらに資金が必要となる可能性があるが、成功したらナカシマ工業を短期間のうちに完膚なきまでにたたきつぶす方法があると提案する。
それは、逆訴訟である。
ナカシマ工業の主力商品を特許侵害で訴えることで、佃製作所の信用を取り戻すのである。
航平はその案をのみ、ナカシマ工業と戦うことを決意する。


一方、帝国重工が開発したバルブシステムT-13型の特許申請の前に、佃製作所のバルブシステムの特許申請がなされていたことが明らかとなった。
航平たちが特許を見直しを行ったため、特許の優先権は佃製作所にあることになる。
すべてを自社製品で、と目論んでいた帝国重工の財前は、愕然とするのであった。


「下町ロケット」概要
第1話 | 第2話 | 第3話 | 第4話
第5話 | 第6話 | 第7話 | 第8話
第9話 | 第10話(最終話)



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