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テレビ版・藏(1996) [ドラマ(日本)・ドラマ]

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戦前の信州(新潟県)を舞台に、大地主の娘・烈が夜盲症という障害を抱えながら家業の酒造りに生きがいを見出し、愛を見つける、という、宮尾登美子の同名小説のドラマ化(全3回)、「藏」(1996)
演出は大山勝美。
出演は鹿賀丈史、壇ふみ、松たか子、前田耕陽、高橋恵子。


江戸時代から続く大地主・田乃内家の一人息子・意造(鹿賀丈史)の縁談は、母親が、姉と妹を間違えて縁談を申し込むというハプニングがありながらも、父が死に、意造が当主となったのをきっかけに、母親の希望とおり、姉・賀穂と結婚する。
先代から始めた酒造業も繁盛し、意造の人生は順風満帆のように思えた。大正8年12月に、烈が誕生する。「烈」という名は、結婚して15年の間に8人の子を死産等で亡くしていたこともあり、9人目の子には、力強く生き抜いてほしいという意造の気持ちが込められていた。

病気がちな賀穂(高橋恵子)の代わりに、烈の世話として、賀穂の妹・佐穂(壇ふみ)が佐野家より呼ばれる。烈が夜盲症という病気となり、賀穂が病気平癒の観音詣での途中で亡くなると、意造が若い芸者・関(洞口依子)を後妻に迎えることになり、佐穂は実家に戻る。しかし、烈の懇願で、田乃内家に戻る。以来、佐穂は田乃内家にはなくてはならぬ存在となり、関の生んだ息子が不注意で亡くなると、佐穂の存在は確固たるものとなる。

一方、視力が完全に失われた烈は、自立しようと決意する。そして15歳になった烈(松たか子)の元に縁談が持ち込まれる。烈は、諸々の事情で酒造業をやめた意造が次第に元気を失っていくのを見て、田乃内家にとって酒造業がいかに大切であるかを悟り、自分の代で酒造業を再開することを熱望する。その熱意に負ける形で、意造も酒造業を再開することを決意し、杜氏のいる野積に烈を連れて行く。

烈は、野積で出会った涼太(前田耕陽)に心惹かれていった。その涼太が蔵人として田乃内家に来たころ、烈の縁談も進められていく。しかし、烈は涼太のことが忘れられず、たまたま涼太が蔵人として来ているのを知ると、その思いを抑えられなくなっていった。



松たか子が初めて宮尾作品に主演したのは、このドラマ。映画の方が先に公開されたが、戦前の地方上流家庭を舞台としたこの作品は、内容的には宮尾作品らしさが目立つものとして、日本人の感性にしっくりくるものだろう。
ノスタルジックで、封建的社会での安寧と反発・自立、悲劇や葛藤を乗り越えてのシンデレラストーリ(男女が逆だが)・・・などなど、要素的には「なんか落ち着くなぁ~」といった安心できるものだ。原作と脚本がしっかりしているから、全体的にはまとまっている。

意造役の鹿賀丈史が奮闘しており、いい味出しているのではないだろうか。
他の役者については、役者の従来のイメージそのままの無難な配役であり、演技面については「・・・」というところもあるが、この作品については、役者の演技には関心がないから、別に問題なしだろう。
たまに、ヒロインの描き方が、「タイタニック」のローズと重なるところがあるけれど・・・。所詮は金持ち女のわがままと、それに巻き込まれたウブな青年って感じで。それにしても、ドラマの方では時間もたっぷりかけて烈の姿を描いているが、井上真央から松たか子までの人物描写がバラバラで・・・う~む、という感じ。

個人的には、烈の少女時代(幼少期)を演じた井上真央が好き。昼ドラ「キッズ・ウォー」での成長を見るにつけ、なんだか感慨深い。他に、賀穂の少女時代の役をしていた女優(朝比奈彩乃?)が、きれいでお気にいり。妹役の小島聖と比べたら、そりゃ誰だって姉の方を選ぶだろ、って感じだ。

実を言うと、この作品は、けっこう何回も何回も!見ている。理由は衣装。着付士の血が騒ぐというか、映画の方が少々現代的であったのに対して、古風な感じがほんの少し入っている衣装類を見ていると、半襟や足袋、帯揚げ・帯締めや帯・着物のコンビネーションを楽しんでみたり、「こういう柄ものと合わせてみたいなぁ~」などと考えてみたりする。時代劇もよく観察するけれど、特に明治から戦前については現代にも通じるセンスで、特にこの作品には羽織が多く出てくるので、その辺のチョイスとかに注目している。

衣装は大切だと思いますよ、どんな作品では。現在放映中のドラマ「私立探偵 濱マイク」などはビジュアル的にも作品構成的にも実験的でスタイリッシュな感じがして好きだし。そんな、いつもと違った視点で見られる作品ですね。


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タグ:藏 蔵
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テレビ版・貴族の階段(1991) [ドラマ(日本)・ドラマ]

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新藤兼人脚本「貴族の階段」のリメイク版といいますか、斉藤由貴を主人公・氷見子役に迎えた1991年4月放映のTBSの3時間スペシャルドラマ「貴族の階段」(1991)

注目の節子役は清水美砂。
建物などの大道具・小道具は映画よりもビックで、見ごたえはあるし、最後に襲撃された時に見せる氷見子の凛としたセリフはいいけれど、全体的に上品さがなく、映画よりも格は落ちる。

映画では氷見子と節子は比較的仲がいいのだが、ドラマでは、氷見子は、成り上がり貴族の節子を侮蔑していて、「私より美しいし成績もスタイルもいいけれど所詮は平民じゃない」と思っていた節子が、なんとなんと、ひとりの男として好きになっているお兄さまの想い人ってことで、なんなのよー状態になっている。
そして、映画では節子がお父さまに手ごめにされる過程が描かれているけれど、ドラマでは、すでに節子はお父さまの愛人になっている。

映画を見るまでは、ドラマでもまあまあ見られたけれど、映画に比べると、やはり品の悪さが目立ってしまうのは惜しいなぁ。


タグ:貴族の階段
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櫻の園(1990) [ドラマ(日本)・ドラマ]

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なんだかノスタルジックな気持ちにさせてくれる、吉田秋生原作の同名マンガ「櫻の園」(1990)
監督は中原俊。
出演は中島ひろ子、つみきみほ、白鳥靖代。

なぜ、ノスタルジックな気持ちにさせられるのかというと、まずはその設定が、グッときちゃうんですよ。

桜華学園の創立記念日に毎年上演されるチャーホフ原作の「櫻の園」。ところが、今年は演劇部3年の杉山(つみきみほ)が前日に補導されたことによって上演が危ぶまれ…同級生へのひそかな想い、男の子たちに関する好奇心、年1回の劇への特別な情熱を、女子高を舞台に、上演当日の朝から上演の幕開けにかけての物語。



原作は読んだことはないけれど、「付属の女子高」そして「演劇部」っていうのは、本当に身近な話題で、文化祭当日のドタバタを思い出して懐かしくなっちゃうましたね、これが。2年生の城丸さんが彼氏に向かって「女子高ってものをわかってないのよ」というセリフを言うけれど、確かに、女子高という独特の世界、そしてその中の演劇部という世界は、経験した人にしかわかんないんじゃないかな。ところで、OPとEDに流れるショパンの曲を聞くたび「太田胃○」のCMを思い出してしまうのは、私だけじゃないハズ。


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タグ:櫻の園
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