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狗神(2001) [邦画・ミステリー]

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「死国」の原作者・坂東眞砂子の同名小説を、「金融腐食列島〔呪縛〕」の原田眞人監督で映画化した伝奇ホラー、「狗神」(2001、東宝)
監督は原田眞人、プロデュースは原正人、原作は坂東眞砂子、出演は、天海祐希、渡部篤郎、山路和弘、深浦加奈子、遊人、淡路恵子、藤村志保ほか。


四国の山奥にある小さな村で、四十路の今日まで恋も人生も諦め、和紙を漉く日々を送っていた美希(天海祐希)の一族・坊之宮家は「狗神筋」といわれ、忌み嫌われていた。「狗神筋」とは、狗神様を受け継ぐ家のことで、坊之宮家の女が代々受け継いでおり、亡くなった母親の霊媒となることを意味していた。

美希は、母・富枝(藤村志保)が亡くなってからも、母の霊を霊媒することなく、平穏な日々を送っていたが、ある日、小学校の新任教師として、奴田原晃(渡部篤郎)が村にやってくる。晃と出会ってから、美希の前に母が現われ始め、美希は次第に若返っていく。親子ほど年の違う美希と晃は、互いの心に同じ孤独を見出して惹かれあい、関係をもつ。

やがて、村の者の憎悪に耐えられない美希を守るため、また村から出すために、晃は美希との結婚を決意し、坊之宮家にその報告に行くが、狗神様を受け継ぐ美希を坊之宮家は手放さず、やがて美希は母の霊を霊媒してしまうのだった・・・。



1996年に角川書店より刊行された、坂東眞砂子の『狗神』

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土佐の犬神伝承をもとに、人々の心の深淵に忍び込む恐怖を嫋やかな筆致で描き切った傑作伝奇小説というこの本を読んだのは、ずいぶん前のこと。本来、ホラーとかサスペンスものが苦手なのですが、民俗学に興味をもち始め、またさほど怖くないということで、挑戦しました。

原作を読んだときは、晃と美希をとりまく隠微な関係が印象的だったのですが、映画では、天海祐希の大胆ラブシーンにびっくり・・・宝塚時代から知ってますから、ゆりちゃんの「女」の部分を見せ付けられて、びっくりしたり新鮮だったり、きれいだなと思ってみたり。

ビジュアル的には、映像もきれいでした。うまくまとまっていたような気もします。
が、なぜか「ドッグヴィル」(2003)を見た時のような後味の悪さが。原作を読んだときはそんなことは思わなかったのに、きれいなのに、うまくまとまっていると思えるのに、なぜか途中で感じる後味の悪さ。
ホラーが苦手だからでしょうか。


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弟切草(2001) [邦画・ミステリー]

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1992年に発売されたスーパーファミコン用人気ゲーム。サウンドノベライズものとして不動の人気をほこった同名ゲームを、奥菜恵主演で映画化した、「弟切草」(2000、東宝)

謎めいた洋館を舞台に、逃げ場を失った男女が見えない敵からの襲撃や罠に脅える恐怖と、館からの脱出が描かれるミステリー仕立てのサスペンス・ホラー。

監督は下山天、エグゼクティブプロデューサーは原正人、原作は長坂秀佳、出演は、奥菜恵、斉藤陽一郎、大倉孝二、松尾れい子、minoruなど。


ゲーム会社でバイトをしている菊島奈美(奥菜恵)は、突然現れた弁護士から、本当の父親が別にいて、その父が亡くなり遺産を受け取ることになることを告げられる。一面識もない父の存在に動揺しながらも、奈美は自分のルーツを知るため、元恋人のゲーム会社社長の松平公平(斉藤陽一郎)と共に亡父の屋敷へと向かう。そこは、深い山中うっそうと茂った弟切草に覆われた洋館だった。そこで知る、父の姿と、ナオミとの対面・・・。



一時期、ハマっていました。
何十通りのエンディングを鑑賞し、巷でうわさになっていた「ピンクしおり」なるものを見るために、日夜、違うエンディングを求めて創意工夫。シューティング系ばかりだとキーボードを壊してしまうので(PCゲームで少なくとも3台はつぶしました)、時折、サウンドノベライズなどのおとなしめのゲームをたしなんでおりました。

その映画化ということで見てみましたが、トリッキーなつくりで、それなりにゲーム的要素を残すために、いろいろと工夫がなされています。エンディングを歌うのは、ザ・イエロー・モンキーということで、個人的には楽しめた映画ですが、怖そうな小道具で演出をしているわりにはその効果もなく、「弟切草」の花言葉が「復讐」であることの説明はなんかスルーされているし、何十通りのエンディングを鑑賞した身としては、緊張感もドラマ性もいまいち。

低予算映画としては、それなりに楽しめますが、「映画」としてはいかがなものでしょうか?
原作のある映画というのは、やはり、原作以上の出来か、まったく違う世界を切り拓かなければ、どうしても評価は低くなってしまいます。PV辺りで使う分には、良い出来だと思います。


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スカイハイ[劇場版](2003) [邦画・ミステリー]

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不慮の事故や他殺によって成仏できない者たちが通過する場所“怨みの門”で、門番“イズコ”から自分の死を把握するために3つの選択を与えられ、生前の記憶を辿る。高橋ツトム原作の同名漫画のTV版をオリジナルストーリーで、『あずみ』の北村龍平監督が映画化した、「スカイハイ[劇場版]」(2003、東映)
監督は北村龍平、原作は高橋ツトム、出演は、釈由美子、谷原章介、大沢たかお、戸田菜穂、岡本綾、山田麻衣子など。


不慮の事故、または他者の手により命を落とした者がやってくる場所、それが、“怨みの門”。そこを訪れた者は、門番である女性“イズコ”によって“3つの選択”を迫られる。

   「死を受け入れ、天国へと旅立ち再生を待つ」
   「死を受け入れず、霊となって現世を彷徨う」
   「現世の人間を1人、呪い殺す」


魂の選択は12日間。その間、死者はイズコの導きにより現世での「怨みの記憶」を取り戻し、葛藤を繰り返しながらも最後に自らの意志でどれか1つの選択を行なわなければならない。

ある日、女性の心臓がえぐられるという惨殺な連続殺人事件が起きるなか、担当の刑事・神崎耕平(谷原章介)は自身の結婚式を迎える。しかし、結婚式当日恋人の斉木美奈(釈由美子)は連続殺人事件の新たな被害者となってしまった。

美奈は、“怨みの門”で門番・イズコ(椎名英姫)に運命の選択を迫られる。自分の状態をまだ把握しきれない美奈は、自分の記憶を辿るため現世に戻る。幸せの絶頂で、突然途絶えた自分の運命を嘆きつつ、神崎が犯人に復讐を誓っていることに不安を覚える美奈。人を殺したり、自殺をすると、その魂は地獄に落ち、その魂は永遠に再生のない苦痛を味わう。神崎にそんな思いはさせたくない美奈は、怨みの記憶をたどり、遺伝子工学の世界的科学者・工藤達也(大沢たかお)と、その傍らにいる三輪レイ(魚谷佳苗)の存在を知る。

次なる被害者として、遠山小百合(岡本綾)が浮かび上がる。霊感をもつカメラマン・岸一雄(田口浩正)によって、神崎も工藤の存在を知る。工藤が犯人であることを突き止めた神崎だが、逆に岸が仮死状態に。その助けを求め、上伊那秀芳(菊地由美)の元に訪れ、そこで、工藤の目的が明らかになっていく・・・。



「お行きなさい」という名セリフによって、女優・釈由美子の知名度を上げた人気TVシリーズの劇場版。
TVシリーズは見なかったけれど、少し前に話題になったので、見てみました。想像していたよりも、良かったです。セットもいかにも的な感じで、雰囲気だけという感じもしたり、はたまた日曜の朝にやっているような戦隊モノを髣髴とさせる、どこかチープなつくりに妙ななつかしさを覚えたりするけれど、秀芳役の菊池由美がとてもいい味を出していて、正直、主役(釈)をくってます。

同じ低予算のセットでも、デレク・ジャーマンの「エドワードⅡ」(1991)は、重厚感があったんだけど、これも愛嬌ということでしょうか。ところどころ遊びも散りばめられていて、おそらくTVシリーズを見ていた人にはとても楽しいものだったのかもしれませんが、初めて見ても、遊び心があることはわかります。

とにかく設定が良かった。世界観のしっかりした原作だと、不安定さがなくて良いです。あとは演出の問題でしょう。
でも、意外とおもしろく、楽しめた映画でした。同じ監督で、別の作品も見てみたい気がします。


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