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カクレンボ(2005) [アニメ]

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森田修平と桟敷大祐による制作ユニット「YAMATOWORKS」による第1弾、民話に秘められた恐怖の部分を、独特の演出、映像美で再現した、「カクレンボ」(2005 YAMATOWORKS)
監督・絵コンテ・演出・CGI・編集は森田修平。
キャラクターデザイン・美術は桟敷大祐。
キャストは、竹内順子、植木誠、鈴木真仁、内藤玲、石橋美佳、小林晃子。


暗い街があった。
荒廃し、渾沌とした構造の街の中に出来るすき間。

東京のような
繁華な町中でも、
夜分だけは隠れんぼは
せぬことにして居る。
夜、隠れんぼをすると
鬼に連れていかれる。
(柳田国男『山の人生』より)


路地の明かりが燈るとき、その向こうには、子供にしかできない遊び、子供にしか入れない世界があった。
街でやっている、かくれんぼ。
街の周りで帰ってこなくなった子供がたくさんいるといい、その街に近づいてはいけないと言われるが、それはきって、とてもおもしろいから、子供たちを近づかせないための言い伝えだと思う子供たちは、その「御常夜様のお遊戯」と呼ばれる「カクレンボ」の魅力のとりことなるのだった。

街の明かりがとても気持ち悪く明るくなったころ、街全部が迷路のようになる。しかし、目印があり、看板の「オ」「ト」「コ」「ヨ」の字を順番にたどって進むと、「御常夜様」の広場につながる道に出る。広場に7人の子供が集まったら、その街でやっている絶対秘密のかくれんぼ、「御常夜様のお遊戯」がはじまる。

参加したて子供は全員 狐のお面をかぶる、ふしぎな「カクレンボ」。子供たちがみんな消えてしまう、すごくおもしろいけど、すごく危険な遊び。本物の鬼が出てきて、子供を連れて行くという。

参加したのは、、前の「カクレンボ」の時に行方不明になった妹・ソリンチャ(鈴木真仁)を探すために参加する少年ヒコラ(竹内順子)、そしてヤイマオ(植木誠)。鬼の正体を暴こうとする小童3人組のノシガ(内藤玲)、タチジ(石橋美佳)、スク(小林晃子)。不気味な双子インム、ヤンク。そしてたった一人の不思議な女の子(鈴木真仁)。集まったのは、なぜか8人。

かくれんぼの開始の合図と共に、「油取鬼」「子取鬼」「血取鬼」「胆取鬼」と呼ばれる4匹の異形の鬼たちが子供を狙う。そしてその中心にいる「おしら様」。

子供たちは知りたかった。この遊びを、この街を、この世界を。
そして、このお遊戯の中に、まったく別の真実が浮き彫りにされていく。



民話や童話には、必ず影の部分がつきまとっている。
そういう「影」の部分に着目した内容は、世界観としてはおもしろかったです。時間も24分と短めで、これ以上長かったら飽きるだろうなぁというギリギリの時間配分もよかったです。
「YAMATOWORKS」というユニットは聞いたことがなかったけれど、実験的なアニメが多かった「スタジオ4℃」の出身ということで、意外と土台はしっかりしている感じですが、アイデアの枯渇も同時に感じてしまいました。どこかで見たような世界観、どこかで見たような設定、映像。最近の実験的な短編アニメは、ビジュアル中心の傾向があり、難点もあります。この作品にも同様の難点がありましたが、内容は24分ものなりにしっかりしていたので、次回作を楽しみにしたいと思います。

しかし、なんだかんだ言っても、こういう「影」の部分というのは、「御常夜様のお遊戯」に興味津々の子供たちじゃないけど、関心を惹く題材ですね。


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タグ:カクレンボ
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アラジン(1992) [アニメ]

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「千一夜物語」の中で最も有名な「アラジンと魔法のランプ」を原作とする、ディズニー映画31作目の長編アニメーション「アラジン」(1992 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ/原題:Aladdin)
監督・製作・脚本は、ジョン・マスカーとロン・クレメンツ。
主題歌・挿入歌は、ハワード・アシュマンとアラン・メンケン。
作曲は、アラン・メンケン。


昔むかし、アラビアの果てしない砂漠に囲まれた神秘と魅惑の都アグラバー。国王(サルタン)の座を狙う悪徳大臣ジャファーは、砂漠のどこかに眠るという、どんな願いも叶う魔法のランプを探していた。そして、ランプのある魔法の洞窟を見つけたものの、中に入ることができるのは清い心を持った≪ダイヤモンド≫のような選ばれた人間だけ。

陽気で活気のある下町の市場では、いつものようにアラジンと相棒の猿アブーが盗みを働き役人に追われていた。しかし、必死で盗んだパンも人に与えてしまうほどアラジンは心優しい若者だった。ある日、こっそりと王宮を抜け出した王女ジャスミンを市場で見かけたアラジンは、彼女に一目惚れし、そして世間知らずな彼女を救う。逃亡中、ジャスミンは、夢と希望にあふれたアラジンに惹かれていく。が、2人は役人に捕まり、アラジンは彼女が王女であると知る。ジャファーは、このアラジンこそが清い心の持ち主だと知り、彼をこっそり連れ出して洞窟へと入れる。

ジャファーを出し抜きランプを偶然手に入れたアラジンは、ランプの精ジーニーの力を得て、王子となってジャスミンに求婚することに。だが、アラジンは自分を偽ることに悩み、その間にランプはジャファーに盗まれてしまう。
ジーニーによって世界一の魔法使いに変身したジャファーは、サルタンから王位を奪い、そしてアラジンは雪深い遠い国へ飛ばされてしまうのだが・・・。



アカデミー賞2部門(最優秀オリジナル作曲賞・最優秀オリジナル主題歌賞)と、ゴールデングローブ賞3部門(最優秀オリジナル作曲賞・最優秀主題歌賞・特別賞)を受賞した、ロマンチック・ファンタジー。アラジンの企画を生み出したのは、故ハワード・アシュマン。

美しいだけでなく、勇敢で、真実の姿を見抜く賢さと自由を求める積極性を持つジャスミンと、うわべを飾るよりも本当の自分を見せることが大切だと気づき成長していくアラジンの、なんとも現代的なカップルの誕生。猿のアブーや、ジャファーのしもべであるオウムのイアーゴなど、動物キャラの活躍ももちろんのことだが、今回の最大の注目キャラは、ランプの精ジーニー! マシンガン・ジョークを飛ばしながら自由自在に変身してみせるジーニーを、その七色の声で演じたのが名優ロビン・ウィリアムズ。彼はこの声の名演技によってゴールデングローブ賞の特別賞を得ている。

「リトル・マーメイド」(1989)「美女と野獣」(1991)とはまたガラッと変わり、スピード感あふれる痛快ストーリー。アラジンを救うためにジャファーに色仕掛けで迫るジャスミンの姿もなかなか衝撃的だが、ジーニーの自己紹介シーンが某コミックスでパロディられているのを見たときには、笑いました。シリアスなテーマなんだけれど、笑いが随所にあって、面白いです。個人的に気にいっているのは、「魔法のじゅうたん」のキャラ。その愛らしさにハマります。

今回の作品では、主人公2人の声と歌が別の人間によって吹き込まれています。
アラジンの声を担当しているのはスコット・ウェインガー、歌を担当しているのはプラッド・ケイン。ジャスミンの声を担当しているのはリンダ・ラーキン、歌を担当しているのはレア・サロンガ。声と歌が別人であることを感じさせないキャンスティングには脱帽モノですが、歌のできる俳優を使え、と思ったりして。
「美女と野獣」の声優たちは、その豊かな歌声でもうっとりさせてくれましたが、その声と歌が違うっていうのは、「ディズニーなのにOKなの?」という気にもなります。だって、歌あってのディズニーだから。確かに、声優に歌唱力がなくて歌だけ吹替えという場合は、よくあることです。でも、なぜディズニーが声と歌とを分けたのか、よくわからないですねー。

ちょっと違いますが、近頃では、ディズニーだけでなく、訓練された声優を使わないアニメーションがありますが、あれも行き過ぎるとどうかと思います。声優と俳優って、やはり違いますから。キャラの雰囲気とかで、俳優の方がいいなぁ~という場合ももちろんありますよ。でも、「セリフがわからない、字幕をつけろ」とか「棒読みかよ・・・」と思うことも多々あります。

キャラとしては、どれも魅力的です。でも、ジャスミンって、目がでかすぎ・・・。


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リトル・マーメイド(1989) [アニメ]

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有名なアンデルセンの童話を原作に、その恋の冒険を、あふれる色彩とゆたかな詩情でつづった、ディズニー映画28作目の長編アニメーション「リトル・マーメイド」(1989 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ/原題:THE LITTLE MERMAID)
監督・脚本は、ジョン・マスカーとロン・クレメンツ。
音楽はアラン・メンケン。
作詞・作曲はハワード・アシュマンとアラン・メンケン。


ここは深い深い海の底。海の王様トリトンの娘アリエルは、海の上の世界に憧れるかわいい人魚のお姫さま。ハンサムな人間の王子エリックを一目見るなり、恋に落ちてしまう。海の魔女アースラは、アリエルの黄金のような声と引き換えに人間にしてあげようと言うが、でも、約束の3日間で、王子の愛を勝ち取ることができるのか・・・。



アカデミー賞2部門(最優秀オリジナル作曲賞・最優秀オリジナル主題歌賞)を受賞した、プリンセス・ストーリー。従来、「白雪姫」(1937)「シンデレラ」(1950)「眠れる森の美女」(1959)に代表されるディズニーの<3大プリンセス・ストーリー>に、実に30年ぶりに加わった新プリンセス・アリエルの登場は、その後、「美女と野獣」(1991)「アラジン」(1992)など次々と新プリンセスを誕生させる契機となった。
ディズニー・アニメならではの映像と音楽の絶妙なコンビネーションを復活させた、作詞家ハワード・アシュマンと作曲家アラン・メンケンのコンビの、ディズニーデビュー作が、この作品だと知る人は、さて、何人いるでしょうか?

いろいろと思い出がつまってる作品ですね。
ディズニー・アニメを初めて映画館で観たのが、この作品。しかも、予備校の公開模試の帰りにディズニー好きの友人と観に行ったんですよ。受験はまだ関係なかった頃で、模試も1つのイベント状態だったからこそできたことですが。その友人とは、その後、急激に仲良くなって、親友になりました。その彼女が亡くなってからは、切ない気持ちもあってディズニー映画からは離れていたんですが、先日、上條恒彦の歌声を聞き、ふと「セバスチャン・・・」(上條恒彦は、吹替版で宮廷づき音楽家のカニのセバスチャン役)と思った次の瞬間、「リトル・マーメイド」のビデオを観ていましたね。
でもって、泣いてしまいました。「Part of Your World」の曲は、口ずさんでいるだけでも、うるうるって感じで、なんだろう、曲自体もすばらしいのだけれど、それ以上に思い出がありすぎて泣けてくるのかもしれません。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン原作の「人魚姫」(1837)も好きですが、ディズニーバージョンも安心できる内容になっています。時代を反映して、ヒロインが自己主張できて、活発でかわいい。今まで、ただぼ~っといるだけだったヒーローも、自力で戦っていますし。確かに、「眠れる森の美女」のフィリップ王子も果敢に戦いますが、あれは、はっきりいって妖精たちに助けられてのものであって、王子自身の力ではなかった部分が多い。それに比べたら、今回のエリック王子は、自分の力だけでアースラを倒しますからね~、新たなヒーローの登場という意味でも、この作品の価値はあります。

また、この作品は、少し前に続編が出ましたが、これも、ディズニー・アニメ史上ものすごい転機となってるんですよ。
というのも、従来のディズニーのヒロインは、女性の社会進出や地位向上を背景にだんだんと強くはなってきますが、結婚はしても子供は生まないんです。ところが、アリエルはメロディという女の子を生み、なんと、これまた近年続編が出たシンデレラも結婚後の生活が描かれるといった具合。
家庭とか家族とかが大切にされ、また子供の教育問題が声高に唱えられる時代にあって、アリエルが子供を生んだことは、新たなヒロイン像の誕生を意味しますし、この成果を経てシンデレラの結婚後も描かれたことを考えると、この作品は、常に時代に密着した描かれ方をしていることがわかりますよね。

しかし、それまで色白のヒロインばかりだったのに、アリエル以降は色黒のヒロインが続出して・・・色彩のバリエーションがないのかとちょっと思いました。アリエルは人魚だし、ジャスミンもポカホンタスも気候や風土などの問題もあるから全然OKですが、フランス人のベルや中国人のムーランは、ありゃ、ちょっと黒すぎやしないかい?
黄色人種の日本人は、比較的、肌の微妙な色合いにこだわるとはいわれているけど、大切だと思うんですよ。「肌色」って、本当、微妙な色合いですからね。

最近はCG技術の向上に力を入れているディズニーだけど、昔の映画を観ると、感慨深いものがありますね。すごいな、と。


リトル・マーメイド スペシャル・エディション (期間限定) [DVD]

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火の鳥〈ヤマト編〉(1987) [アニメ]

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手塚治虫原作の名作「火の鳥〈ヤマト編〉」(1987 マッドハウス)
監督は平田敏夫。
声は、池田昌子、井上和彦、鶴ひろみ、屋良有作。


父王の命令でクマソの首領・川上タケル暗殺に向かったヤマトの皇子・オグナは、その途中、タケルの妹カジカと出会い、恋仲となる。ヤマトへの忠誠とカジカへの愛の板ばさみになったオグナは、火の鳥と出会う。火の鳥は、クマソの守り神として崇められており、オグナの笛の音に聞き入っていた。
そしてその火の鳥の教えに従ってタケルを討つが、カジカからは兄の仇として追われる身となった。その窮地を救ったのは火の鳥だった。火の鳥は、オグナには果たさねばならぬ使命があると告げていたのだ。
ヤマトに帰ったオグナは、父王の死と共に、父王がクマソに彼を遣ったのは彼を疎んじていたからだと伝えられ、ショックを受ける。その後もオグナは兄たちから疎んじられ、ついには亡き父王の墓にカジカと共に殉死者として埋められることになる。墓の中でオグナの吹く笛の音は1年も聞こえ続けた。それは殉死という風習をやめさせるための、火の鳥のメッセージだった。



「生命」をテーマとした手塚治虫の「火の鳥」シリーズ。火の鳥の判断については、その一瞬だけを見ていたらなんと酷な運命を与えるのだと思うけれど、見終わって感じるのは、人間の長い歴史、その中で育まれていった「生命」を尊ぶという認識を、人間が気づくには、その一瞬の残酷も大切なのだということだろうか。
なんとなく、いつも納得させられてしまいます。

ストーリーを見ればわかるように、この物語は『古事記』と『日本書紀』景行天皇27年10月条のヤマトタケル物語(川上タケルやカジカの存在は『日本書紀』12年12月条の記事が元だろう)と、『日本書紀』垂仁天皇28年11月条~32年7月条に見える殉死禁止および野見宿禰と埴輪の記事が元ネタとなっています。前者はよくご存知だと思うので、後者の一部を紹介。

倭彦命を身狭の桃花鳥坂に葬った。このとき近習の者を集めて、全員を生きたままで、陵のめぐりに埋めたてた。日を経ても死なず、昼夜泣きうめいた。ついには死んで腐っていき、犬や鳥が集まり食べた。天皇はこの泣きうめく声を聞かれて、心を痛められた。群卿に詔して、「生きているときに愛し使われた人々を、亡者に殉死させるのはいたいたしいことだ。古の風であるといっても、良くないことは従わなくてもよい。これから後は議って殉死を止めるように」といわれた。
(宇治谷孟現代語訳『日本書紀(上)』講談社・学術文庫 1988.6)


興味のある方は1度すべての記事を読まれるといいと思いますが、上手にこれらの記事を「生命」というテーマをメインに、冒険と恋愛を織り交ぜて1つの作品に仕上ています。他にもイメージの元となったと思しき神話類が連想されますが、そういうことを考えるとこの作品も広がりを見せますね。

ところで、火の鳥役の池田昌子の声を、先日、久々に聞きました。とある歴史モノのナレーションをしていたのですが、なんというか雰囲気が合ってて聞き入ってしまいましたね。
声優陣でいうと、ハンサムでとにかくかっこいい役(「タッチ」では新田くんを、「ファイブスター物語」では、ジョーカー太陽星団にその名の高き〈武帝〉と呼ばれる勇者で、もうひとりの主人公と目されるダンディでハンサムなコーラス3世陛下を! なぜそんなにイイ男ばっかり演じるのだ? 声がいいからか? でも本人もかなりかっこいい!)が多い井上和彦や、「きまぐれオレンジ・ロード」の鮎川まどか役で有名な鶴ひろみなど、当時のアニメ界の人気どころが大集合! 至れり尽せりですね。


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ザ・サムライ(1987) [アニメ]

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春日光広原作の学園ドタバタギャグアクション「ザ・サムライ」(1987 砂工房)
監督は、やまざきかずお。
声は、関俊彦、井上和彦、水谷優子、坂本千夏、松井菜桜子、京田尚子など。


血祭武士(ちまつり たけし)は、武士道に生きる日本男児。それも、袴姿に日本刀をたばさむという超本格派だが、純粋培養のレトロ少年には女性アレルギーという弱点があった。そんな彼につきあうクラスメイトも、一筋縄ではいかないヤツばかり。
近代兵器を駆使するプレイボーイの南藩都来(なんばん とらい)。そして、クラスに転校してきた双子の土岐姉妹は、極度の男性恐怖症のあかりと、露出狂のかげりという忍者姉妹だった。
この土岐姉妹と武士は実は幼なじみで、彼女たちが転校してきた目的は、13年前に武士の父・雷造が土岐姉妹の父・影丸と決闘して手に入れた宝刀の奪回にあったのだ。
だが武士はかたくなに渡すことを拒否する。刀は彼にとっても父との思い出の品だったのだ。最初は、女性アレルギーのために劣勢だった武士も、ガールフレンドの山口敦子たちの力で事無きに終わる。

しかし、土岐姉妹は今度は敦子を人質にとってきた。彼女を助けるべく、土岐屋敷に乗りこんだ武士は、そこで土岐一族の総帥・黒刀自(くろとじ)と対決する。宝刀の一大争奪戦の後、武士は黒刀自にその思い出深い宝刀を渡すのだった。



純粋に笑える作品。シリアス要素もありますが、奇想天外なストーリー、ギャグ度・エンターテイメント性がかなり強い作品じゃないでしょうか。展開のテンポはいいし、作画についても、キャラクターデザイン・作画監督が後藤隆幸とあって、馴染み深く安定もしているのでけっこう楽しめます。

いきなり登場する巨大な福助人形なんかは、ものすごく不気味なんだけどかわいくて、おかしくて、笑えますね。原作は少年誌なのですが、どおりで、ちょっとエッチなエピソードなんかも入っています。

ここで注目なのが、音楽担当の田中公平。「トップをねらえ!」で一躍有名になった彼は、「究極超人あ~る」「笑ウせーるすまん」などで独特の世界(?)を描いています。個人的には、公平さんの音楽は好きですね。しかもこの人、やたらと歌がうまかったりする。公平さんの仮歌(歌い手に曲を渡すときに、どんな曲なのか仮に歌うこと)は、感情がこもっていて、歌い手さんからは「歌いにくいやんっ」と言われるのだそうだ。ちなみに、仮歌で感情たっぷりに歌うのは、あの、小林亜星も同じだそうです。



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紫式部 源氏物語(1987) [アニメ]

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世界文学史の上でも高く評価される、平安の世に生まれた日本初の長編物語が、朝日新聞東京本社創刊100周年、テレビ朝日開局30周年、日本ヘラルド映画創立30周年を記念してよみがえる、「紫式部 源氏物語」(1987 朝日新聞社・テレビ朝日・日本ヘラルド映画グループ)
監督・絵コンテは杉井ギサブロー。
声は、風間杜夫、梶三和子、田島令子、風吹ジュン、萩尾みどり、横山めぐみ、そして大原麗子ほか。


桐壺帝の第2皇子・光源氏は、政争に巻き込まれることを懸念した父帝の計らいで源氏姓を賜り、臣下の身となっていたが、その美貌と才知は都の人々の注目を一身に集めていた。ある夜、恋を語らうために古びた館に夕顔を連れていった源氏は、横たわる夕顔の肩に桜の花びらが降りかかるのを見る。なにかがいた。そのなにかを追い払うと、桜は消え、そして息絶える夕顔の姿があった。桜の幻影に、源氏はおびえた――。

源氏には多くの通う女性がいた。6歳年上で前皇太子妃であった六条御息所(前の皇太子との間に皇女が生まれたため「御息所」といわれる)は狂おしいほど彼を思い、左大臣の娘であり正妻・葵上は、悲しい気位のために彼には素直になれない。
満たされない思いを抱く彼には、父帝の妻であり、義母にあたる藤壺への苦しい恋があった。通じてはならない関係の中、源氏は狂ったように藤壺を求め、そして病で宿下がりをしていた藤壺の元に。罪の意識を感じながらも、藤壺は源氏の激しさに我知らず受け入れてしまうのだった。
源氏は藤壺の面影を求め、秋の北山で藤壺の姪・紫を引き取る。紫への愛着を感じる源氏の耳に、藤壺懐妊の知らせが入る。東宮である第1皇子の母・弘徽殿大后は譲位に向けて動き出し、生まれた若宮が自分とうりふたつであることに源氏は複雑な思いにかられる。

そのころ、源氏に新しい女性ができる。近く東宮妃となる予定の朧月夜であるが、源氏はそのことを知らなかった。父帝が譲位して兄の朱雀帝の世となると、葵上に子供ができる。だが葵上は出産後、物の怪となった六条御息所に殺され、御息所もまた自らの業に恐れをなして、娘の斎宮とともに都を離れる。藤壺もまた父帝の死により出家し、女性たちは、源氏の安らぎを求める心を置き去りにしたまま静かに去っていくのだった。

女性たちとの関係で、源氏は得体の知れない不安に常に襲われていた。安らぎを女性に求め、その安らぎを手に入れようとするとき、彼は必ず肩に降りかかる桜の花びらの幻影を見る。桜の花びらは、母が死んだ時にも同じように舞っていた。桜が舞う、そのたびにいとしい人が消えていくのだ・・・。

今、源氏に残っているのは美しく成長した紫と、帝の寵妃となっても関係の続いている朧月夜だけ。しかし、朧月夜との関係がその父・右大臣に見つかり、弘徽殿大后(朧月夜の姉)の策謀で、源氏は須磨へと流される。所領・財産を、妻となる紫上に譲り、ふたりは結ばれる。その夜、幻視のただなかにあり、異空間へと吸い上げられる源氏は、死んだように沈黙する都の姿を見る。桜の影に怯えてつづけた源氏は、紫を得たこの時ようやく強い意志をもってそのことを克服するのだった。



『源氏物語』54帖の中の、いわゆる「桐壺」巻から「須磨」巻までをアニメ化したもの。それなりに物語が盛り上がり、1つの作品としてまとめやすいことから「須磨」巻までで止める作品は多いですが、これもその1つですね。
特徴としては「桜」をキーワードとして、源氏の内面を描いていることでしょう。原作を知っている分、ツッコミ入れたくなる部分も多いのですが、「銀河鉄道の夜」で、宮沢賢治の不可思議な世界観を表現した杉井ギサブローだけに、それなりにうまくまとめているとは思います。

個人的には、キャラクター原案をつとめた林静一と、キャラクターデザイン・作画監督をつとめた名倉靖博コンビが作り上げたあの世界が大好きです。ラフデッサンなんて、それだけで芸術って感じで、独特の抒情性と妖しさがたまらなく、最高!

源氏は、若紫を見ながら頭中将に「あの姫を見たとき、誰にも渡したくないと思った」みたいなセリフを言うのですが、そのセリフはなんだかとっても印象に残っていますね。

とはいえ、声優陣には不満はあります。風間杜夫は、ちょっと嫌でした。メインの「桜」についても、幼い源氏が母が亡くなった時に、その花びらを樹齢一千年の桜の巨木のウロ(個人的に、ほこら、という表現はあまりピンッとこない)に埋めて石で蓋をする、という場面はたまらなくキレイだったのですが、最後の方が・・・という感じです。

細野晴臣の音楽や、声優陣の中でも、例えば、アニメ「ベルサイユのばら」のオスカル役でも有名な田島令子(葵上)や、横山めぐみ(紫上)などはなかなかよろしいですよ。特に、横山めぐみは、子供のくせにどこか自分の運命を知っているような、そんな複雑な紫上役をうまくこなしていると思います。



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トワイライトQ2 迷宮物件FILE538(1987) [アニメ]

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不思議な物語をつむいでいく「トワイライトQ」シリーズ第2弾「トワイライトQ2 迷宮物件FILE538」(1987 スタジオ・ディーン)
監督・脚本・絵コンテ・演出は押井守。
声は、瀬川哲也、兵藤まこ。


大空をゆくジェット旅客機に突然ひびが入り始めていく。それは、そのジェット機が巨大な錦鯉に変化していく前兆だった・・・。その夏、東京上空では、旅客機の失踪事件が頻発していた。その姿を下から見つづける1人の少女。少女は、実の父親とは見えない中年の男と錦鯉と一緒に暮らしていた。
この奇妙な2人連れをある探偵が調査していた。戸籍調査をはじめとするあらゆる調査は空振りに終わり、聞き込みをしようにも他の住人の姿もなく、大家の住所もつかめない。そして、1番不思議なことは、このアパートの立っている場所が現在もなお海の中にあるはずであるということだった!
実は、「調べれば調べるほど非現実的な世界へと引き込まれていく探偵は、彼の調べている中年男性自身だった」ということを書こうとした、シナリオ作家の脚本の中での出来事だったのだ。



「時間」をテーマにしたロマンチックな前作とは違い、とても不思議な世界が展開される。
前作と同様、少女の声に兵藤まこがあたっているが、前作の女の子らしい声とは違い、今回は本当に少女、小学校に上がるか上がらないくらいの年代の子らしい、独特の声で頑張っている。ちなみに兵藤まこといえば、「マクロス・プラス」(1995)ではコケティッシュなバーチャルアイドル、シャロン・アップルを演じている。前作の声は、シャロンの声に近いか。

押井守作品は、とにかく脚本がしっかりしているのが特徴で、見るものは安心してその世界に浸れる。設定がややこしいだけに2回は見てしまう作品だが、「うる星やつら」とは違う、押井守の独特な世界を初めて垣間見たこの作品だったか。

「トワイライトQ」シリーズを見比べると、その違いがわかる。わかるかな?


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LILY-C.A.T.(1987) [アニメ]

LILY-C.A.T..jpg

シガニー・ウィーバー主演映画「エイリアン」に似たサスペンス「LILY-C.A.T.」(1987 スタジオぴえろ)
原案・監督は鳥海永行。
声は、沖田浩之、勝生真砂子、山田栄子、榊原良子、玄田哲章など。


巨大企業シンカムによる新惑星調査のため、惑星LAO-3に向かった宇宙船サルデス号。冷凍睡眠から覚めた6人のクルーに、同乗している探査員7名の中に身元を偽った者が2人紛れ込んでいるという報告が伝わった。しかも、その報告が途中で切られ、肝心の2人の身元がわからない。ニセ者はいったい誰なのか。
混乱の中、次々と変死していくクルーたち。冷凍睡眠中にコンピュータが勝手に搬入したバクテリアがその原因らしい。そんな中、ジローがこの船に逃げ込んだ殺人犯であり、ディックが彼を追ってきた刑事であることが判明する。
そして、コンピュータの真の支配者であるのが、社長令嬢ナンシーの連れてきた愛猫そっくりの、ロボット猫「LILY-C.A.T.」であることも・・・。
会社は人間を信用せず、このロボット猫に惑星探査の命運を任せていたのだった。残った4人のクルーを、変死したクルーの変化した怪物が襲う。キャプテンはジローとナンシーをシャトルに乗せ、脱出させるのだった。



宇宙での作業。それが当り前になった時代において、宇宙に出て行くのは「憧れ」や「夢」のためではなく、「悲しみ」を負うものであった。それぞれが、それぞれの「苦悩」や「悲しみ」を抱いて乗りこんだ船の中で、自分が自分であると証明することのむなしさを、クルーたちはニセ者探しの中で痛感する。
ここにいる自分が、本当に現実の自分なのであろうか・・・。最後のジローの言葉は、重くのしかかってくる。いずれは現代の私たちも味わう苦悩かも???

はっきりした色彩の、アメリカンタッチなキャラが、当時はとても新鮮。そして、OP・EDがやたらとかっこいい。


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